【TBS】WACUL を買収、AI×テレビで次世代広告創出へ
【ディンコの一言】
TBSがAIマーケティングのWACULを完全子会社化したニュースは、テレビ広告の再定義を示唆する一手。マスとデジタルの融合は、従来の「視聴率頼み」から「成果重視」への転換点だ。TBSグループが番組・広告をデータドリブンで設計する流れが加速すれば、業界全体のメディア運用にも波及する可能性が高い。
TBSホールディングス(以下TBS)は2025年5月30日、マーケティングDXを手がけるWACULの普通株式及び新株予約権に対する公開買付け(TOB)が成立し、同社を完全子会社化する方針を明らかにした。買付けは4月10日から5月29日まで実施され、買付価格は1株502円。下限株数を上回る応募により買付けが成立した。
この買収の狙いは、TBSが保有するテレビコンテンツやメディア資産と、WACULが強みとするAI・データを駆使したマーケティング技術を統合し、広告・マーケティング領域で新たな価値を創出すること。具体的には、テレビCMを起点としたプロモーション施策にデジタル広告やユーザーデータの解析を組み合わせ、効果測定や購買行動まで一気通貫で対応可能な体制を築く。
想定されるシナジーとしては、①マス×デジタルの融合による提案力の強化、②TBS IDなどのメディアデータ活用による新規事業の創出、③ライフスタイル・教育などTBSの非放送事業でのマーケティング高度化、が挙げられている。
また、WACULの技術は、TBSグループ内の各社にも展開される予定で、今後の事業戦略の中核を担う存在として期待されている。テレビとネットの融合が加速するなかで、広告主のROI(投資対効果)向上に寄与する提案が可能となる。
今後、TBSは必要な法的手続きを経て、WACULの完全子会社化を進めていくとし、詳細は追って公表される予定。
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