【WOWOW】増収増益も会員純減、4K撤退で構造改革へ
【ディンコの一言】
WOWOWの2024年度決算は、非会員収入の伸長により増収増益を達成したものの、会員数の純減や4K放送の終了による減損損失が影を落とした。新サービス「WOWSPO」や劇場公開など多層展開の成果も見え始めているが、配信競争の激化と既存会員の離脱抑制が引き続き課題。中期経営計画では、BtoCとBtoBの両軸で収益構造の転換を図る姿勢が明確に示された。
WOWOWは2025年5月15日、2024年度(2025年3月期)の決算説明会を開催し、連結売上高767億5,700万円(前期比18億8,700万円増)、経常利益29億9,700万円(同9億3,900万円増)と増収増益を報告した。会員収入は減少したものの、映画事業や番組販売などのその他収入やグループ会社の売上増加が寄与した。
一方、当期純利益は6億3,700万円(同4億5,400万円減)と減益となった。これは、4K放送の終了やコンテンツ情報統合管理システムの開発中止、子会社の減損損失などによる特別損失25億6,000万円の計上が影響した。
加入状況では、新規加入件数が70万5,000件と前期比7万9,000件増加。新サービス「WOWSPO」の開始や人気コンテンツの提供が奏功した。しかし、解約件数も81万2,000件と増加し、正味加入件数は10万7,000件の純減、累計正味加入件数は236万件となった。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、WOWOWは中期経営計画(2025-2029年度)を策定。「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」というパーパスのもと、BtoC領域では新たな配信サービスやEC、多層サービスの推進、BtoB領域ではマーケティング支援やコンテンツ制作の拡大を目指す。
また、2025年5月15日には、会員の声を反映したサービス開発を行う「WOWOW 夢中のトビラボ」の設立を発表。今後の取り組みとして、放送サービスの効率化や新規事業開発を通じて、収益構造の転換と持続的な成長を図る方針を示した。
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