新潮社『テレビが終わる日』 若者層消失の驚愕データ公開

【ディンコの一言】

テレビが“終焉”に向かう構造転換を、多角的に可視化した一冊。若年層視聴時間の半減、広告収入のネット比半分化、就職人気ランキングの落選といった指標を並べることで、視聴者の急速な流出が定量的に浮き彫りに。特に“録画・ネットによる回復なし”という分析は、業界として改革・デジタル導入の急務を改めて突き付ける内容です。



プレスリリースでは、テレビの“凋落”が単なる感覚ではなく、統計データで裏付けられた事実として明らかにされています。著者の今道琢也氏(元NHKアナウンサー)は、総務省や民間調査のデータを用いて、2012年から2023年の間で10代・20代の視聴時間が半分以下になり、さらには10代の20%、20代の30%がテレビ全体(リアル・録画・ネット配信)を一切視聴していないという驚愕の実態を提示しています。これによってテレビはもはや「若年層の補欠メディア」になってしまっている現実が浮き彫りに。

また、広告収入はネットメディアの半分程度に減少。それに加えて、人口減少や原価膨張も追い打ちをかけ、採算性が悪化。さらに就職人気ランキングではテレビ局が100位以内にすら入らないという、日本でメディア産業が就職市場でも厳しい現状に立たされています。

信頼性失墜への言及も鋭い。やらせや過剰編集、切り取り報道などの不祥事により、国民の信頼を損失。加えて、デジタル時代におけるコンテンツの多様化・パーソナライズ化に対応しきれず、テレビは「マス向け万能コンテンツ」の呪縛から脱却できていないという分析です。

結論として、「テレビの黄金時代へ回帰するシナリオは極めて難しい」、むしろ「ネット主導・個人化されたメディア時代が継続」すると断じています。同書は、テレビ業界に限らず、広告・制作・放送各セクターにも警鐘を鳴らす一冊と言えるでしょう。

 

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