【TBS】脱炭素に本腰「TBS GX」設立で再エネ100%へ
【ディンコの一言】
TBSが脱炭素事業に乗り出すとは一見意外だが、これは単なる環境対策ではなく、メディア企業としての「姿勢」の発信でもある。再エネを自社制作拠点に導入することで、業界内にサステナブルな制作体制のロールモデルを提示しようという狙いが見える。いまや放送局も、視聴者にとって「何を作るか」だけでなく「どう作るか」が問われる時代だ。
TBSホールディングスは2025年6月2日、再生可能エネルギー分野の企業・UPDATERと共同で、新会社「株式会社TBS Green Transformation(TBS GX)」を設立した。新会社の目的は、グループ全体での気候変動対策を加速し、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献することだ。
具体的には、営農型太陽光発電を中心とした発電事業、再エネの調達・導入支援、そしてグループ会社の脱炭素を支援する事業を展開。まずはTBSのコンテンツ制作拠点である「緑山スタジオ」において、再エネ由来の電力供給をスタートさせ、「世界に通用するサステナブル・スタジオ」を目指す。
発電所建設には、農業の持続性にも配慮したソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を採用。これにより、耕作放棄地の活用や農家の安定収入にも寄与する。加えて、電力のトレーサビリティを担保するため、UPDATER社のブロックチェーン技術を活用する点も特筆すべきポイントである。
TBS GXの設立は、再エネの「追加性」を意識し、新たな電源の創出を促す意図もある。これは再エネ不足が叫ばれる中で、企業が担うべき重要な役割ともいえる。今後は、赤坂の放送センターなど他拠点への展開、さらにはグループ外企業への支援提供も視野に入れるという。
資本金は1億円で、出資比率はTBSホールディングス95%、UPDATER社5%。代表取締役社長には、TBSの法亢順氏が就任した。
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