TBS新会社「SAND B」がIP収益最大化へ本格始動!川崎由紀夫氏が社長就任

【ディンコの一言】

 TBSホールディングスがアニメ・IP戦略の中核を担う新会社「SAND B」を本格始動させ、アニメ業界のベテランである川崎由紀夫氏を社長に迎えたことは、日本のテレビ局が既存の放送枠に留まらず、グローバル市場でのIPビジネスの多角化と収益最大化を本気で目指すという強い意志の表れです。特に毎日放送との連携は、関西のアニメ制作における強みを取り込み、東京一極集中ではない新たなIP創出の可能性を示唆しており、業界全体の競争環境に大きな変化をもたらすでしょう。



 TBSホールディングスは、2025年7月22日、IP(知的財産)収益の最大化を目指す新会社「株式会社SAND B」(サンドビー)が本格的に事業を開始したことを発表しました。この新会社の代表取締役社長には、長年にわたりアニメ業界で数々の実績を築いてきた川崎由紀夫氏が就任します。


近年、NetflixやDisney+などのグローバルOTTプラットフォームの台頭により、コンテンツの消費形態は大きく変化し、IPの価値は国境を越えて拡大しています。このような状況下で、日本のテレビ局は従来の広告収入に依存するビジネスモデルから脱却し、

IPを軸としたグローバルな収益源の確立が喫緊の課題となっています。TBSホールディングスは、総額300億円の投資枠を設け、有望なIPパートナーとの協業を通じて収益の多角化とグローバル展開を加速させることを目指しており、SAND Bはその中核を担う戦略子会社となります。

SAND Bの最も注目すべき点は、その強力な布陣と事業内容にあります。まず、代表取締役社長に就任する川崎由紀夫氏は、25年にわたりアニメの立ち上げや事業拡大に深く関与し、日本のコンテンツを世界市場に送り出してきた実績を持つ人物です。 彼の豊富な経験と知識は、まさに「世界に通用する日本のコンテンツIP」を育成し、ビジネスを「柔軟な対応とスピード力」で展開する上で不可欠となるでしょう。

さらに、アニメ制作で豊富な実績を持つ株式会社毎日放送(MBS)との緊密な協力体制を構築する点も特筆されます。 これにより、アニメ制作からマーチャンダイジング(MD)まで、IPの創出から収益化までをシームレスに推進するとしています。 例えば、海外ではディズニーやワーナーブラザーズのように、自社で強力なIPを保有し、映画、テレビ、テーマパーク、グッズ販売など多角的に展開することで莫大な収益を上げています。日本のテレビ局も同様に、自社IPを多様なメディアで展開する重要性が増しており、SAND Bはアニメを中心としたIPの企画・開発・制作から、国内外での放送、配信、商品化、イベント、ゲーム展開、さらには有望なIPへの投資や新規事業開発まで、IPを活用したあらゆる事業を目指しています。

今回のTBSの新会社設立は、単なる組織再編ではなく、日本のテレビ局が生き残りをかけ、IPを共通言語としてグローバル市場で戦うための「場」(SANDBOX)を創造するという強いメッセージが込められています。 社名「SAND B」が「SANDBOX (砂場)」に由来し、「世界へと広がる挑戦に『共に在る (Be)』」という決意が込められていることからも、そのビジョンが伺えます。

これは、これまで個別の制作会社やプロダクションに分散しがちだった日本のIPビジネスにおいて、

テレビ局が中心となって資本と人材を集約し、強力なハブとなる可能性を示唆しています。将来的には、日本の優れたクリエイターやスタジオが、SAND Bを通じてよりグローバルな舞台で活躍する機会が増えるかもしれません。また、TBSとMBSという異なる系列の放送局が、IPという共通の目標のもとで連携を強化することも、今後のメディア業界における新たなアライアンスの形を示唆しており、業界全体の再編や連携を加速させる起爆剤となる可能性も秘めていると言えるでしょう。川崎社長の言葉にあるように、「日本のIP関連業界の発展に寄与」し、「様々なチャレンジ」を通じて、日本のコンテンツが世界市場でさらに存在感を高めることを期待せずにはいられません。 

 

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