【ドコモ】推し活が動画配信を変える!応援広告参入の衝撃
【ディンコの一言】
本文ここから (100字程度) 動画配信×応援広告の組み合わせは、業界の枠組みを根本から変える可能性を秘めている。韓国発の文化が日本のOTTプラットフォームに融合することで、単なる視聴体験から"共感消費"の場へと進化を遂げる。
「推しの番組に自分の応援メッセージを流せるって...本当に?」
そんな驚きの声が、ファン界隈で静かにざわめいている。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」が2025年8月8日から始めた映像配信サービス初となる「ファンが配信番組を選べる応援広告」は、まさにエンターテインメント業界の常識をがらりと変える一手だ。
韓国から始まった"愛の告白"が、日本の動画配信に上陸
日本に「応援広告」が持ち込まれたのは、IZ*ONEらを輩出した韓国の人気アイドルオーディション番組『PRODUCE』シリーズの日本版『PRODUCE 101 JAPAN』がきっかけとされるが、その本家韓国では「アイドルを有名にしたい」「なにかアイドルに喜ばれることをしてあげたい」というファン心理で出されるのが一般的。センイル(韓国語で誕生日の意)広告として、駅や屋外ビジョンなどで展開されてきたファンによる"応援広告"が根付いていた。
しかし今回のLeminoの取り組みは、まったく別次元の話だ。これまでの応援広告は物理的な場所の制約があったが、動画配信プラットフォームなら地理的制約を超越できる。番組はいつ・どこでも無料で視聴でき、場所の制約がないため、全国のファンはもちろん、まだ推しを知らない人へもアプローチが可能だからだ。
数字が物語る"推し活市場"の底知れぬ可能性
冷静に市場規模を見てみよう。2023年の動画配信(VOD)サービス全体の国内市場規模は、前年比8.2%増の5,740億円という巨大市場が存在する中で、2021年のネット動画広告市場は前年比42.3%増の4205億円という成長を遂げている。
つまり、取得方法→官公庁データ分析→計算式:動画配信市場5,740億円×広告収益率約73%(4,205億円÷5,740億円)→結果として年間約4,200億円の広告枠が動いているのが現実だ。この巨大な市場に、個人ファンという全く新しいプレイヤーが参入してきたわけである。
一方で、反論もある。「果たして個人ファンに持続的な広告予算があるのか?」という疑問だ。しかし、これは考え方が逆かもしれない。従来の企業広告が「商品を売るため」だとすれば、応援広告は「愛を届けるため」。動機の質が根本的に異なる消費行動なのだ。
"観る"から"届ける"へ—推し活の新章
Leminoが狙っているのは明らかに、視聴者の行動変化だ。「観る」だけじゃない、「届ける」推し活というキャッチコピーが示すように、受動的な視聴体験から能動的な参加体験への転換を促している。
具体的には、「PRODUCE 101 JAPAN」シリーズや「ZEROBASEONEの万能オフィス」、STPR Family出演番組等、Leminoの人気番組に応援広告の配信が可能となり、番組本編が始まる前の広告枠に配信されるため、視聴者=ファン同士が応援広告を自然に目にすることができ、推しを応援する気持ちを共有・共感できる仕組みを作った。
これは単なるマネタイズ手法ではない。プラットフォーマーとして、Leminoはコンテンツ消費者(視聴者)とコンテンツ支援者(ファン)を同一人物の異なる側面として捉え直し、その両方にアプローチしようとしているのだ。
この動きは、エンターテインメント業界全体に波及するだろう。NetflixやAmazon Prime Videoといった海外大手も、日本市場でのファン文化への適応を迫られるかもしれない。推し活という日本独特の消費文化が、グローバルプラットフォームの戦略を左右する時代が来た。そう考えると、Leminoの今回の挑戦は、単なるサービス追加ではなく、業界の未来を占う試金石なのではないだろうか。
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