広島が示す「地元熱狂」の経済インパクト

【ディンコの一言】
プロスポーツの熱狂は、もはやテレビ視聴率や入場者数だけでは測れない。今回のランキングは、地元球団への「愛着」が消費行動や情報発信にまで及ぶ、多面的なエンゲージメントを可視化した。メディアは、熱狂の「量」だけでなく、その「質」をどう捉え、ビジネスに繋げるかが問われる時代に突入した。

 

スカパーJSAT株式会社が発表した「スカパー! スポーツ熱狂度 都道府県ランキング 2025」によると、プロ野球部門で広島県が堂々の1位に輝いた。このランキングは、単なる視聴者数だけでなく、「頻度」「発信」「費用」の3つの指標を組み合わせて算出されており、特にプロ野球観戦にかける費用の面で広島県民が全国トップクラスであることが明らかになった。


この結果の背景には、やはり地元球団である広島東洋カープの存在が大きい。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、日本のプロ野球ファン人口は2,210万人(2024年調査)と堅調に推移している一方で、球団別のファン人口では阪神タイガースが最多(415万人)であり、各地域に根差した熱狂的なファン層が存在している。今回の広島の躍進は、単に「強いから人気がある」という短絡的な構図ではなく、地域コミュニティと球団が一体となった「ローカル・アイデンティティ」の醸成が、強力な経済効果を生み出すことを証明している。

今後、メディアやコンテンツプロバイダーは、この「ローカル熱狂」をどう捉え、いかにビジネスモデルに組み込んでいくかが鍵となる。単に試合を中継するだけでなく、地域に特化したコンテンツ制作や、ファンコミュニティの活動支援など、多角的なアプローチが求められるだろう。スポーツが地域経済を活性化させる新しい形として、広島モデルは全国のプロスポーツクラブや自治体にとって、大きな示唆を与えるだろう。

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