【パナソニック】万博で証明された日本の放送技術、世界が注目する次世代リモート制作

【ディンコの一言】 「また日本が世界初をやってのけた」—— 40km離れた遠隔地から1万人のライブイベントを完璧に制御するなんて、10年前なら夢物語だった。だが今回のKAIROSとIOWNの組み合わせは、単なる技術実証を超えて放送業界に新たな地平を切り拓いている。 「リモート制作って、そんなに簡単にできるものなの?」 そんな疑問がぽつりと頭をよぎった読者も多いだろう。だが大阪万博で起きた"奇跡"は、まさにその常識をひっくり返す出来事だった。 パナソニックのIT/IPプラットフォーム「KAIROS」が、NTTの次世代ネットワーク技術「IOWN」と組み合わさって成し遂げたのは、夢洲の万博会場から約40km離れた毎日放送の本社サブコントロールルームでの完全リモート制作。21台のカメラ映像と64チャンネルの音声信号をリアルタイムで伝送し、「1万人の第九 EXPO2025」のライブ配信を実現した。 海外では当たり前、日本は技術で差別化 実は、REMI(Remote Integration Model)と呼ばれるリモート制作技術は、海外の放送業界では既に一般化している。世界のライブIP放送機器市場は2024年の16.65億ドルから2033年には82.1億ドルへと、年平均成長率19.4%で急拡大しているのが現状だ。 北米では、メジャーリーグサッカーやCONCACAFの試合中継でREMI技術が日常的に使われている。初期のREMI制作はT1回線に依存していたが、より高速な接続とIPルーティング機能の進歩により、放送解像度の向上とカメラ台数の増加に対応できるようになったという技術的変遷を辿ってきた。 しかし、今回の万博での取り組みが際立っているのは、その規模と技術的完成度だ。従来の海外事例では、せいぜい数台から十数台のカメラを扱う程度。21台のカメラと64チャンネルの音声を同時にリアルタイム伝送するという規模は、まさに「世界最大級」の名に恥じない。 IOWN技術の真価、70Gbpsの衝撃 毎日放送の担当者が「70Gbpsに及ぶ映像トラフィックのスイッチング」と証言したこの数値が、技術者なら背筋が凍るほどの大容量だと理解できるはずだ。 通常の4K映像ストリーミングが20-25Mbps程度であることを考えれば、その2800倍以上の帯域を扱っている...